当団体がかかわったお勧め映画
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*ポスター画像をクリックすると,ホームページ、予告編のWebサイトが開きます。(全てではありません)
*直接的なクリスチャン映画ではない作品もありますが、黒人霊歌、ゴスペルを理解するために必要な映画を ご紹介します。
ROOTS ルーツ(1、2)
黒人奴隷の問題を真っ正面から描き、社会現象と言えるような大反響を巻き起こしたテレビドラマ。
西アフリカのガンビアで生まれた黒人少年クンタ・キンテを始祖とする、親子三代の黒人奴隷の物語を描いている。続編の『ルーツ2』では、その後(南北戦争で奴隷制が廃止されて以降)の一族の物語が描かれ、最後には原作者アレックス・ヘイリー(演:ジェームズ・アール・ジョーンズ)も登場する。作品自体高い評価を受けてプライムタイム・エミー賞 作品賞 (ミニシリーズ部門)を受賞した。
制作年:1977年(ルーツ1)1979年(ルーツ2)
2016年リメイク版/1話約50分 各8話)/アメリカ
放送:ABC
カラーパープル
ウーピー・ゴールドバーグが演じる姉のセリーは、父に乱暴され望まぬ子ども2人を出産し、「ミスター」と呼ぶアルバートの所へ。妹のネティも父親の乱暴をおそれ、セリーの所へ逃げてきた。ミスターに乱暴されそうになったセリーは反撃するが、姉妹は引き離されてしまった。必ず手紙を書き続けると約束して。ある日、泥酔したミスターの昔の愛人、歌手のシャグがミスターの家に。そしてジャグを慕うようになったセリーはある決断をする。ある日曜の朝、シャグは教会からゴスペルグループの合唱を聞き教会の中へと入って行く。ルカの福音書15章「放蕩息子」の説教をしていた牧師は…。ゴスペルの大合唱のなか、シャグは父親の肩を抱く。シャグたちと暮らすセリーの元に、来客があるが、なんとそれは…。そしてセリーの手紙は…。スピルバーグが監督、音楽はクインシー・ジョーンズ。人種差別のなかでも、神による回復を感じる作品。実際のアリスの両親や祖父母の人生を参考につづられている。
1985年製作/154分/アメリカ
原題:The Color Purple
配給:ワーナー・ブラザース映画
ミシシッピー・バーニング
時は公民権法制定前の1964年。ミシシッピ州フィラデルフィアで3人の公民権活動家が行方不明となる。ベテランFBI捜査官2人、ウォード(ウィレム・デフォー)とアンダーソン(ジーン・ハックマン)が公民権運動家の失踪した田舎町に捜査に行く。ところが、その町では人種差別が公然と行われており、さらに事件の捜査を開始した二人に対し町のKKKや保安官等が捜査の妨害を図ろうとする。
しかし、2人は失踪した3人の行方を究明しようと試みるのと同時に、人種差別主義者も追いつめていく。「黒人なら猫を殺すのと一緒」と学校でも家でも、人種差別は正当なことで聖書(創世記9章27節)にも書かれていると教え込まれる子供たち。その一方で、差別され虐げられた人々にとってキリスト教は救いだった。
1988年製作/126分/アメリカ
原題:Mississippi Burning
配給:ワーナー・ブラザース映画
評決のとき
舞台はミシシッピ州にある架空の街クラントン。物語は人種差別主義の白人青年ビリーとウィラードの二人が10歳の黒人少女を強姦し暴行を加えたところから始まる。少女の父親カール・リー・ヘイリー(サミュエル・L・ジャクソン)はその日の夜、カールの兄を弁護した事から馴染みの白人弁護士ジェイク・タイラー・ブリガンス(マシュー・マコノヒー)に、「娘が強姦された。ここでは黒人を強姦しても白人は有罪にならないのか?」と相談を持ちかけた。ジェイクはカールのただならぬ雰囲気に危険を感じ、「馬鹿な真似は止めろ」と忠告する。しかし、翌日裁判所にビリーとウィラードが連行されてくると物陰に隠れていたカールがアサルトライフルを手に飛び出し、二人を射殺。護衛の警官ルーニーも膝に銃弾を受け、右脚を切断する重傷を負った。カールは第一級殺人罪と傷害罪で逮捕され、弁護をジェイクが担当することになった。そして…。黒人教会での礼拝は、これこそゴスペル。
1996年製作/アメリカ
原題:A Time to Kill
配給:日本ヘラルド映画
アミスタッド
19世紀半ば、アフリカの大地でライオンを倒した24歳の男・シンケはひょんなことから拉致され、53人の仲間達と共にアミスタッド号に商品(奴隷)として積み込まれる。3日後、船はキューバ沖で遭難。その混乱をついたシンケ達は反乱を起こし、乗組員を次々と惨殺した。2ヵ月後、シンケを含む39人の生存者達は、舵取り役のルイスとモンテスに騙され、アメリカ・コネチカット州のニューヘイブンで投獄される。裁判にかけられた彼らを見た元大統領・ジョン・クィンシー・アダムズは、若い弁護士ボールドウィンの助けを借りながら、シンケ達の自由を取り戻そうとする。アミスタッド号事件を題材にスティーヴン・スピルバーグが映画化。第70回アカデミー賞で助演男優賞、撮影賞、作曲賞、衣装デザイン賞にノミネートされた。アフリカ人たちの母国帰還を認める判決を出す直前、教会で祈りを捧げる地裁の判事など、この事件でキリスト教が果たした役割の大きさも美しく描かれている。
1997年製作/155分/アメリカ
原題:Amistad
配給:UIP映画
ヘルプ 心がつなぐストーリー
作家志望のスキーターは南部の上流階級に生まれ、黒人メイドの存在が当たり前の地域社会で育ってきた。だが、大学から戻った彼女は、白人社会でメイドたちが置かれた立場が、もはや当たり前には思えなくなってくる。そして、身近なメイドたちにインタビューをしようと試みるが、彼女たちにとって真実を語ることは、この南部という地域社会で生きる場所を失うことを意味していた…。
そんなある日、白人家庭に黒人専用トイレの設置を義務付けようと活動する、スキーターの女友達の家で働いていたミニーが、トイレを使用したため解雇されてしまう。誰もが口をつぐむ中、ミニーの親友のエイビリーンが教会での聖書の話(出エジプト4:10)に勇気づけられ、ついにスキーターのインタビューに応じた。そしてその小さな一歩は数多くの勇気へと広がり、やがて彼らを取り巻く社会を根底から揺るがす大事件へと発展していく…。「アメイジング・ジャニー 神の小屋」で父なる神を演じたオクタビア・スペンサーが、この映画で第84回アカデミー賞助演女優賞を受賞した。
2011年製作/146分/G/アメリカ
原題:The Help
配給:ディズニー
それでも夜は明ける
1841年、ニューヨーク州サラトガのソロモン・ノーサップ(イジョフォー)は自由黒人のヴァイオリニストだった。彼は妻と子供2人と順風満帆な生活を送っていた。ある日、彼は二人組の男たち(スクート・マクネイリーとタラン・キルラム)から金儲けができる周遊公演に参加しないかと誘いを受けた。ある晩、二人組の男たちにノーサップは薬漬けにされ、昏睡したまま奴隷商に売られることとなった。彼は自分は北部の自由黒人だと主張するが、材木商のウィリアム・フォード(ベネディクト・カンバーバッチ)に売られてしまう。原作は1853年発表の、1841年にワシントンD.C.で誘拐され奴隷として売られた自由黒人ソロモン・ノーサップによる奴隷体験記 "Twelve Years a Slave"(意味:12年間、奴隷として)である。アカデミー賞作品賞、助演女優賞、脚色賞の3部門を受賞作品。ブラッド・ピットの映画製作会社『プランBエンターテインメント(プランB)』製作。皆で死者を送り出すときに歌われていたのが、黒人霊歌「Roll Jordan Roll」。
2013年製作/134分/PG12/アメリカ・イギリス合作
原題:12 Years a Slave
配給:ギャガ
42 世界を変えた男
アフリカ系アメリカ人初のメジャーリーガーとなったジャッキー・ロビンソンを描いた伝記映画。タイトルの「42」とはロビンソンが付けていた背番号で、現在アメリカ・カナダの全ての野球チーム(メジャーはもとより、マイナーリーグ、独立リーグ、アマチュア野球に至るまで)で永久欠番となっている。1947年、ブルックリン・ドジャース(ロサンゼルス・ドジャースの前身)のゼネラルマネージャー・ブランチ・リッキー(ハリソン・フォード)は、ニグロリーグでプレーしていたアフリカ系アメリカ人のジャッキー・ロビンソン(チャドウィック・ボーズマン)を見出し、彼をチームに迎え入れる事を決める。だが、当時はまだ黒人差別が激しく、メジャーリーグも白人だけのものだった事から、彼の入団は球団内外に大きな波紋を巻き起こす。メゾシスト派のリッキーが、差別で苦しむジャッキーを常に励ます。彼の語る聖書の言葉に支えられて、揺るがぬ主人公の信仰にも注目。
2013年製作/128分/G/アメリカ
原題:42
配給:ワーナー・ブラザース映画
グローリー 明日への行進
ノーベル平和賞を受賞したマーティン・ルーサー・キング・Jr.牧師を史上初めて映画化。キング牧師は、翌65年、黒人の選挙権を求める525人の同志と共に、アラバマ州セルマから州都モンゴメリーまで80キロのデモ行進を始めるが、そこに待ち構えていたのは白人の州警察と民兵隊だった。次々と黒人たちが殴り倒されていくニュース映像が全国に流れ、テレビの前の全米7,000万人が衝撃を受ける。「肌の色など関係ない。人は皆平等だと信じるならば共に行進しよう」キング牧師の呼びかけに、全国から続々と人々が集まってくる。翌日、黒人と白人、男と女、大人と子供がしっかりと腕を組み、彼らは再び歩き始めた─。劇中、キング牧師がマヘリア・ジャクソンに電話をかけて「力を授けてほしい、歌ってほしい」という依頼するシーンがある。彼女は、「Precious Lord, Take My Hand」を電話ごしに歌った.。無名なボストンから参加した白人牧師のことばや、ルーサー・キング牧師の「神が最初に泣きました」セリフに感動。
2014年製作/128分/PG12/イギリス・アメリカ合作
原題:Selma
配給:ギャガ
バース オブ ネーション
本作は1915年に制作されたD・W・グリフィスの人種差別主義的な映画『國民の創生』への対比として制作された映画であり、原題も全く同じThe Birth of a Nationと付けられている。奴隷の少年ナット・ターナーは、聖書を学ばせて同じ奴隷のための伝道師とするべく読み書きを教えられた。ターナーの主人は彼の説教で金を稼ごうとアメリカ巡業に連れ出す。そこで奴隷制度の現実を知ったターナーは、彼らの自由を勝ち取るために立ち上がるが…。脚本、製作、監督はナット・ターナー役のネイト・パーカー。
2016年製作/120分/PG12/アメリカ
原題:The Birth of a Nation
配給:フォックス・サーチライト・ピクチャーズ
ラビング 愛という名前のふたり
レンガ職人のリチャード・ラビングは、黒人の恋人、ミルドレッドから妊娠したと告げられ、大喜びで結婚を申し込む。時は1958年、ここバージニア州では、異人種間の結婚は法律で禁止されていた。だが、子供の頃に出会って育んだ友情が、愛情へと変わっていったリチャードとミルドレッドにとって、別れるなどあり得ないことだった。二人は法律で許されるワシントンDCで結婚し、地元に新居を構えて暮らし始めるが、夜中に突然現れた保安官に逮捕されてしまう。二人は、離婚か生まれ故郷を捨てるか、二つに一つの選択を迫られる──。キリスト教を理由に、異人種間結婚に反対者たち。
しかし、この映画には、黒人への暴力シーンも、デモもない。「愛し合う二人が家族とともに故郷で静かに暮らせること」というテーマにあった静かなストーリー展開していく。
2016年製作/122分/G/イギリス・アメリカ合作
原題:Loving
配給:ギャガ
デトロイト
1967年7月、暴動発生から3日目の夜、若い黒人客たちで賑わうアルジェ・モーテルに、銃声を聞いたとの通報を受けた大勢の警官と州兵が殺到した。そこで警官たちが、偶然モーテルに居合わせた若者へ暴力的な尋問を開始。やがて、それは異常な“死のゲーム”へと発展し、新たな惨劇を招き寄せていくのだった…。監督はキャスリン・ビグロー、主演はジョン・ボイエガとウィル・ポールターが務めた。本作は1967年のデトロイト暴動の最中に発生したアルジェ・モーテル事件を題材にした作品である。本作が全米公開された2017年はデトロイト暴動の発生から50年を迎える節目の年でもあった。劇中の白人警官に強要された「賛美歌」と、事件後の「ゴスペル」は、黒人の苦難の歴史を象徴している。
2017年製作/142分/G/アメリカ
原題:Detroit
配給:ロングライド
ハリエット
1849年、主人が亡くなったことをきっかけに、奴隷のハリエット・タブマンはフィラデルフィアへと逃亡することにした。道中、ハリエットは地下鉄道の構成員たちに助けられ、彼らと親交を深めていった。フィラデルフィアに到着した後、ハリエットは地下鉄道の「車掌」として活動するようになった。「車掌」とは奴隷たちを南部から北部・カナダまで誘導する係であった。神の声を聞き、祈りながら、ハリエットは「車掌」として数百人の奴隷の逃亡を手助けした。そんなハリエットには多額の賞金が賭けられており、腕利きのバウンティハンターたちが彼女の行方を追っていた。しかし、ハリエット及び彼女が誘導していた奴隷たちが捕まることは1回もなかった。アフリカ系アメリカ人女性として初めて新20ドル紙幣に採用された奴隷解放運動家ハリエット・タブマンの激動の人生を映画化。
黒人霊歌の原点を観ることが出来る映画。
2019年製作/125分/G/アメリカ
原題:Harriet
配給:パルコ
黒い司法 0%からの奇跡
1988年、ハーバード大学のロースクールを卒業し、弁護士資格を取得したブライアンの元にとんでもないニュースが飛び込んできた。ウォルター・マクミリアンという黒人男性が白人女性を殺した容疑で死刑判決を受けたのだが、彼が犯人であることを示す証拠は一つとして存在しなかった。それにも拘わらず、検察側は誘導尋問などを駆使してウォルターを犯人に仕立て上げたのである。しかも、州の司法当局は杜撰な裁判が行われたことに対して全く関心がなかった。憤慨したブライアンはウォルターの無実を必ずや証明すると心に誓う…。オリジナルタイトルはブライアン・スティーブンソンの回想録と同じ『Just Mercy』。そこにはキリスト教における「神の公正な哀れみ」が読み取れるはずだ。
2020年製作/137分/G/アメリカ
原題:Just Mercy
配給:ワーナー・ブラザース映画
ティル
1955年にアメリカ合衆国ミシシッピ州で起きた、アフリカ系アメリカ人による公民権運動を大きく前進させるきっかけとなった「エメット・ティル殺害事件」と彼の家族のその後の闘いを描く。シカゴに住む14歳の少年が、イリノイ州シカゴの実家からミシシッピ州デルタ地区の親類を尋ねていた折、食品雑貨店店主、ロイ・ブライアントの妻キャロライン・ブライアント(21歳)に口笛を吹いたと、ロイと兄弟J. W. ミランから因縁をつけられ誘拐され撲殺された事件。ティルの母親は、世界に殺害の残忍性を示すために、彼の顔が見えるよう棺を開いたまま葬儀を行った。夫を戦争で失い女手ひとつで一人息子を育てた母親が絶望の淵から立ち上がり、やがて世界を変えていくという物語。映画の中で、新聖歌252番「安けさは川のごとく(It Is Well with My Soul)」が歌われる。母親の神様にどうしたらいいのかという問いに神様が応えてくださる奇跡とは…。
2022年製作/130分/PG12/アメリカ
原題:Till
配給:パルコ
カラーパープル
巨匠スティーブン・スピルバーグが1985年に手がけた名作映画「カラーパープル」は、黒人の世界をきちんと描いていないという声や、賞狙いで撮影したという声が上がったためか、アカデミー賞®10部門11ノミネートされたが、無冠に終わった。そして2023年ミュージカル映画としてリメイクされ全米で公開、2024年についに日本で公開される。優しい母を亡くし横暴な父の言いなりとなったセリーは、父の決めた相手と結婚し、自由のない生活を送っていた。さらに、唯一の心の支えだった最愛の妹ネティとも生き別れてしまう。そんな中、セリーは自立した強い女性ソフィアと、歌手になる夢を叶えたシュグと出会う。彼女たちの生き方に心を動かされたセリーは、少しずつ自分を愛し未来を変えていこうとする。そして遂に、セリーは家を出る決意をし、運命が大きく動き出す──。
2023年製作/141分/G/アメリカ
原題:The Color Purple
配給:ワーナー・ブラザース映画