日本人のための伝道映画「塩狩峠」から「海嶺」の誕生物語編 神の恵みとその裏話㉑

更新日:4月18日

1971年頃、ビリー・グラハム伝道協会の映画部門ワールド・ワイド映画の「断絶」「逃走」などを上映していた日本人スタッフは、日本人に合った福音伝達の必要性を感じていました。そこで、アメリカの本部に三浦綾子原作「塩狩峠」の映画化の提案をしたのです。最終的に提案は受け入れられましたが、アメリカのワールド・ワイド映画スタッフで撮影するとの返事でした。

これに、日本の責任者で、いのちのことば社の当時の代表だったマクビーティ宣教師が反対しました。 「明治に生きた日本人を外国人が描き出せるものではない」。その結果、松竹映画に製作依頼することになり、名匠中村登監督がメガホンを取りました。原作者の三浦綾子さんも、「映画館にかけられるしっかりとした映画を作ってくれるなら原作料は要りません」と言われたそうです。

「塩狩峠」撮影シーン

そして、1973年12月に映画「坊ちゃん」と同時公開されました。最初の10日間で137,000名の方々が観に来られました。文部省選定、文化庁優秀映画奨励賞を受賞したため、教会、映画館の無い長野県、栃木県、茨城県などの村々や公立学校でも、上映することが出来ました。

教会での自主上映、ビデオ、DVDの販売と今でもキリスト教会の不滅の名作として、日本だけではなく、アメリカ、ブラジル、アジアの各地で、皆様に愛されています。

ふるさと伝道

「塩狩峠」をご覧になった方々から、次の作品は何ですかとの質問がありました。スタッフとしては、日本で初めてヨハネの福音書を訳したギュツラク訳聖書に関わった「三人の漂流民の物語」が良いのではということになりました。しかし、原作本はありません。

当時の日本人総主事が、三浦綾子さんにお電話すると、三浦綾子さんは、「岩吉、久吉、音吉の物語なら、私が書くことになっています」との驚くべき返事だったそうです。そして、週刊朝日に50週にわたって「海嶺」の連載が始まりました。

次は、いよいよ映画化です。1980年に大学を卒業した私はここから関わります。製作費をアメリカ本部が半分、日本のクリスチャンからの献金で半分という目標で、1982年から献金アピールがスタートしました。

「フィルムの1コマをあなたが作ってください」と色々な教会の礼拝、祈祷会後に予告編を上映してアピール。当時は16ミリフィルムですから、準備が大変でした。また、全国の教会を、前作「塩狩峠」を上映しながら、アピール。また大口のスポンサーへのお願い等、休む暇なく働きました。

製作は前回同様に松竹映画に依頼しました。主役俳優陣もどんどん決まります。岩吉役には西郷輝彦が決まりました。実は、漂流した3人をアメリカで助けるマクラフリン役を、カントリー・ミュージックの大御所ジョニー・キャッシュが出演することになり、西郷輝彦は、彼が出るのだったら是非にと引き受けたそうです。竹下景子も、お絹役で出演しています。

動員のためには、10枚綴りのゴスペルパートナー券を発行しました。

多くの皆様が献金に、またゴスペルパートナー券に参加して下さった結果、1983年12月に劇場公開されたのです。

そして、21万人の方々に映画を通して、福音を伝えることが出来ました。しかしながら、製作費や宣伝費が600万ドル以上に膨れ上がってしまい、また、動員保証をしたために、億単位の赤字になってしまいました。

当時はまだ35ミリの映写機の公開だったために、50館分の35ミリフィルムが返送されると、狭い事務所は足の踏み場もない状態です。当然、現像所に支払うお金もありません。

ゴスペルパートナー券の案内

また、日本人の総主事が諸事情から退職し、責任者のケネス・マクビーティ宣教師も、心労からか、訪問先のマニラで倒れてしまいました。

残されたスタッフは、どうなるんだろうと心配でたまりません。また、こんなときに、私は結婚しました。とにかく主を信頼して、進むしかありません。

当時の理事やマクビーティ宣教師のご尽力で、配給会社が映画の放送権等を購入してくださり、ビリー・グラハム先生から支援をいただくことによって、支払いを終えることが出来たのです。まさしく奇跡の連続でした。

また、劇場では137分バージョンでしたが、教会では長くて使いにくいとの要望から、マクビーティ宣教師と貞永方久監督によって、96分バージョンの作品が製作され、より汎用的な内容になりました。

その後、日本のビリー・グラハム伝道協会は閉鎖され、現在は、いのちのことば社が2作品の管理をしています。


神はみこころのままに、あなたがたのうちに働いて志を立てさせ、事を行わせてくださる方です。(ピリピ人への手紙2:13)


この2作品は、日本のキリスト教界にとっても、大事な宝です。この作品がHDリマスター化される意義はとても大きいです。

― テレビもハイビジョンの時代になりましたので、良い画質で観ることが求められています。HDリマスター化されることによって、ブルーレイディスク、ネット配信、劇場公開等が可能になり、デジタル時代に相応しい伝道が出来るのです。

クラウドファンディングがスタートしております。詳しくはこちらをご覧ください。


◆プロジェクト名「三浦綾子原作|名作「塩狩峠」「海嶺」のHDリマスター化にご支援を!」

https://readyfor.jp/projects/shiokaritoge-kairei2022


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