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映画「パッション」編 神の恵みとその裏話⑪

2004年、イエス・キリストが処刑されるまでの12時間を描いた作品を、名優メル・ギブソンが制作したと小耳にはさみました。映画のタイトルは、「パッション」。「パッション」は情熱と訳しますが、「キリストの受難」という意味もあります。しかも出演者全員のセリフは、全編アラム語とラテン語で、イエス・キリストの十字架刑を、2,000年前の新約聖書の時代にいるかのように体感するために制作されたのです。これは、是非日本で公開してもらいたいと主に祈りました。


そこで、日本の配給会社の購入計画を調べましたら、日本ヘラルド映画が配給するとのことで、早速、「ボランティアでも手伝いたい」と電話を入れました。 日本ヘラルド映画としても、購入したもののどうやって宣伝してよいか迷っていたので、大変喜んでくださいました。

イエスへの拷問場面は凄惨で、アメリカではこの映画を鑑賞していた女性が心臓発作を起こして死亡する事故が起きました。日本のマスコミがそのことを報じたこともあってクリスチャン以外の世界でも話題となり、その結果、13憶円を超える興行収入になったのです。(ボランティアではなく、成功報酬で10%でもいただいていたら(笑)・・・。)

映画館には若い方々も沢山来られていました。金髪の青年が、映画を観終わったあと、神妙な顔で「すごい、良い映画観ちゃったよ、本当に凄いよ」と友人に電話をしていたそうです。

映画公開が終わり、今度はDVDの発売を東宝が担当することになりました。東宝の宣伝部の方から1枚のポスターを見せられ質問されました。

「今度の宣伝ポスター案です。このポスターは、キリスト教会から非難されますか」

見て驚きました。まずコピーが、「キリストが殺されて、クリスマスが生まれた」です。

デザインを観てさらに驚きました。右側には、映画「パッション」でイエス・キリストが十字架を背負ってゴルゴダの丘に向かってを歩いているシーン。傍らで泣いている女性、兵士らがそれを制している場面です。左側を見てください。まったく同じスタイルで、若者たちがクリスマスプレゼントを運び、大騒ぎをしています。一体どこに向かっているのでしょうか。

私は思わずこう言いました。「これこそ、本当にクリスマスの意味を伝えています。クリスマスとは、救い主イエス・キリストの誕生をお祝いする記念日です。クリスマスケーキを食べて、ゲームをして、プレゼント交換をして楽しむ。もちろん、それ自体が悪いわけではありません。しかし、イエス・キリストは十字架にかかるためにこの世に来られたのです」  

マタイは、十字架と復活後、母マリアからイエスの誕生のことを聞いて福音書に書き、ルカは十字架と復活による救いを体験した後、調査してクリスマスの出来事を書いたのでしょう。キリストの十字架の苦しみの結果、クリスマスの記事が書かれ、私たちは、クリスマスをお祝いできるのです。


まさしく、「キリストが殺されて、クリスマスが生まれた」のです。

16ミリ映画で伝道をしていた頃、カントリーウェスタンの大御所ジョニー・キャッシュが作った「ゴスペル・ロード」という映画がありました。映画のラストに現代のニューヨークをバックにイエスの十字架が映るシーンがあります。

私は上映前に「最後にニューヨークの場面が映りますが、それは十字架が現代の私たちに関係あることを表しています」と解説しました。

1年後、上映した教会に行くと、牧師がある素敵な女性を紹介して下さいました。私はまだ独身だったので、お見合いかなと思い、わくわくしながらお会いしました。彼女はこう言いました「私は1年前の映画会で十字架のシーンになった時、あなたの解説を思い出し、イエスの苦しみは私のためだったのだと分かりました。そして洗礼を受けました。ありがとうございました」

キリストは自ら十字架の上で、私たちの罪をその身に負われた。それは、私たちが罪を離れ、義のために生きるため。その打ち傷のゆえに、あなたがたは癒やされた。(Ⅰペテ 2:24)

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