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映画「アメイジング・ジャーニー 神の小屋」編 神の恵みとその裏話⑬

更新日:2022年2月20日

原作の「神の小屋」は、著者のウィリアム・ポール・ヤングが子どもたちに読むために書きました。友人に勧められて、出版社(26社)に売り込んで断られ、仕方なく自費出版した作品です。しかし、その内容の深さが人々の心を捉え全米で300万冊以上のベストセラーになりました。しかも、ニューヨークタイムズのベストセラーリストにおいても連続第1位になったこともあります。

日本では、サンマール社から出版されていて、ある方に勧められて読みました。父親の暴力の中で育った主人公マックが娘ミッシーを殺され、自分と家族を見失っていきます。謎の手紙が届き彼はミッシーが殺された小屋に向かいます。そして、擬人化された三位一体の神に出会い、自分を取り戻していきます。黒人女性が父なる神、聖霊も女性として描かれているので、きっといろいろ批判があるだろうと思いつつ、一気に読んでしまいました。


ある時、当時勤めていた「いのちのことば社」の営業会議で配られた出版計画を見て驚きました。「神の小屋」の題名があるではありませんか。サンマール社と版権会社の契約が切れたので、新しく翻訳し直して、出版するというのです。

さらに驚いたことに、ネットを観ると、映画化が進んでいるとのことでした。これは是非日本でも公開してほしいと祈り始めました。

映画を日本で公開するためには、配給会社に上映権を購入していただかなければなりません。こういった宗教映画は、赤字になるリスクがあるので、なかなか皆さんが手を挙げてくれません。私は、いのちのことば社時代には、パッケージにする権利は、度々購入して日本語版を製作してきましたが、映画の上映権は高くて購入できませんでした。

そこで、2016年冬にN社とK社に2社で購入してくれないか企画書を持ってお願いにいきました。早速、英語版の台本が送られてきました。映画の買い付けは、映画が出来る前から交渉する作品もあります。

実に原作に忠実な台本でしたが、ト書きが多いのが気になりました。そのシーンのアクションが少ないからです。2社がどう判断されるか待っていると返事が来ました。「リスクがあるが、動員に全力投球してくれるなら、購入しましょう」との返事でした。

その瞬間、どっしりと肩に重荷を負った感じがしたのを覚えています。 それから、日本中の教会にポスター、チラシを送り、試写会を北は札幌から南は沖縄まで行い、必死に前売券を委託して回りました。

 一般向きにタイトルを『アメイジング・ジャーニー 神の小屋』とし、女優業を休止されていた石田純一氏の娘すみれさんが、復帰第1弾として、聖霊役をされることもあって、マスコミが取り上げてくれました。


 何度も試写会で観ているうちに気が付きました。

「神がいるならどうしてこんな不幸が起こるのか」「助けてくれない神を、なぜ信じ続けるのか」「自分自身を赦せるのか」「自分の娘を殺した犯人までも赦す必要があるのか」

私たちが日常に起こる様々な問題、また新聞を読むと怒りさえ覚える問題に、この映画は答えようとしています。そして、マックと神とのやり取りのセリフの中に、原作者がこどもたちに伝えたかった聖書のエキスがたっぷり入っています。

マックが赦す決断をするシーンでは、神が男性の父として現れ、決断を迫ります。ここはこの映画のクライマックスでしょう。


  もし人の過ちを赦すなら、あなたがたの天の父もあなたがたを赦してくださいます。   (マタイの福音書 6:14)



なお、2017年9月から公開されましたが、集客はキリスト映画としてはまずまずでした。しかし、大ヒットにはなりませんでした。購入してくれた2社には、力及ばず申し訳なく思っています。


*参考・・・この映画について、波多牧師、塩谷さん、小川さん、青木さんの対談があります。(クリスチャントゥデイは、賛否両論がありますが、小川さん、青木さんなので、

リンクします)



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